Research
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本グループでは,システム理論,オペレーションズリサーチ,データサイエンス,コンピュータサイエンス,応用数学等の先端的成果に基づいて,電力・エネルギーシステムの解析,制御,最適化,モデリングなどの方法論とツールを開発し,実問題の解決と次世代エネルギーシステム(System of Systems)の構築に貢献していきます。
電力・エネルギーシステムの解析・制御に関する研究
近年,地球温暖化などの環境問題への関心の高まりから,太陽光発電や風力発電をはじめとする再生可能エネルギーを活用した分散型電源の導入が期待 されています。これらの発電方法を発電量が天候に左右され不確定です。このような再生可能エネルギーを活用した電力システムを構築していくために,供給側および需要側の両方から電力システムの制御を行うことで,安定で効率的な運用が可能となると期待されています。特に,日本では再生可能エネルギー導入促進、エコカーのインフラ整備のために様々な検討が行われています。本グループでは,次世代電力・エネルギーシステムの構築に向けた解析や制御の研究に取り組んでいます。
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再生可能エネルギー・需要負荷・蓄電池をまとめて自律分散的に制御を行う“Cell Grid”
- 定置型蓄電池を活用した風力発電所の運用計画と制御手法
- 配電系統の電圧制御手法(科研費)
- 電力市場取引の制度設計,経済性評価,ブロックチェーン応用(電力会社との共同研究)
- 医療施設に対するエネルギーマネジメントのシステム技術(民間企業との共同研究)
スマートコミュニティ実現のためのデータ駆動型技術(予測・状態推定・モデリング等)に関する研究
近年,通信,センシング,シミュレーション技術の飛躍的向上により,電力・エネルギーシステムの状態が大量の時系列データ(ビッグデータ)として(ほぼ)リアルタイムに入手可能になってきています。このようなビッグデータを扱う方法論とツールの開発は,次世代エネルギーシステムの構築に重要です。本グループでは,理論から応用までデータ駆動型技術(Data-Driven Technologies)の研究に取り組んでいます。
- 非線形時系列手法を用いた需要予測
- クープマン作用素理論とデータ駆動型制御への応用(NREL との共同研究;JSTプロジェクト)
- クープマン作用素理論と機械学習/信号処理との融合とリアルタイムモニタリングへの応用(JSTプロジェクト)
- 生体リズムにおける同期現象の誘発を利用した看護・医療行為支援デバイスの開発(学内共同研究)
メタヒューリスティックス等による最適化とその応用
エネルギー需要の増大,自由化,再生可能エネルギーの導入増加などにより,電力システムは年々巨大化および複雑化しています。このような大規模システムに対して,従来の計画・運用の方法論とツールでは最適解を求めることは非常に困難です。本グループでは,このような問題に対してメタヒューリスティクス手法等を活用した最適運用手法の開発やパワーエレクトロニクスを応用した電力制御機器(FACTS機器)を活用したシステム運用手法を開発しています。